井戸謙一・弁護団長メッセージ/第2回口頭弁論期日について

2022年2月8日火曜日

お知らせ 裁判期日 声明

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 2022年2月14日子ども脱被ばく裁判第2回口頭弁論期日について

控訴人ら代理人   井 戸 謙 一

日本の国は、福島原発事故前、原発事故が起こって放射性物質が子供たちの生活環境に大量に拡散される事態を予想せず、法令や行政計画に、その場合の対処方法をほとんど定めていませんでした。
福島原発事故が起こった後、国や福島県は、住民の被ばく防護について、法令や行政計画の根拠なく、あるいはわずかに存在した規定に違反して恣意的な対応を繰り返しました。SPEEDI情報の隠蔽しかり、子供たちに安定ヨウ素剤を服用させなかったことしかり、20ミリシーベルト通知しかりでした。安定ヨウ素剤の問題は、最近提訴された小児甲状腺がん訴訟にもつながる問題です。原判決は、国や福島県のこれらの恣意的な各種の対応を「裁量の範囲内であって、裁量の逸脱、濫用はない。」との理屈で、ことごとく是認しました。
しかし、住民の健康被害を守るための対応が行政の自由裁量ではあっていいはずがありません。行政は、憲法及び国際人権法にしたがって適切に裁量を行使しなければならず、行使が許される幅を超えた場合には裁量権の逸脱濫用として、その行政作用は違法、無効とすべきです。
控訴人らは、今回の準備書面では、行政権行使の濫用逸脱の基準を提示し、この基準を超える国や福島県の裁量権行使は、許される範囲を超えて違法、無効であると主張する予定です。また裁量権行使の基準となるべき国際人権法の解釈の手法も提示する予定です。
加えて、国及び福島県の主張に対する反論をしますが、とりわけ国が、「年1ミリシーベルトの被ばくをしない利益は法的保護に値しない」と主張した点について、反論を行います。
控訴人の一人である父親の意見陳述も予定されています。議論は佳境に入ります。注目をお願いします。

「子ども脱被ばく裁判の会」事務局より


2月14日(月)14:30~、仙台高裁での控訴審第二回口頭弁論期日についての詳細な予定は別紙をご参照ください。メディアみなさまへの記者会見は15時45分より、仙都会館8F会議室にて行います。本裁判についての取材・報道をしていただきますようよろしくお願いいたします。なお、現場(記者会見等)での取材にあたっては、スタッフの案内・誘導にご協力いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
2022年 2月 5日

       ※傍聴抽選券配布 ×13:30→〇13:15

事務局連絡先 Tel 080-5220-4979(今野)、Mail kodomo2015-info@oregano.ocn.ne.jp

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